2025.08.06

日立ビジネスフォンの歴史と進化を解説|主要モデルと機能の違いも紹介

目次

ビジネスの成長や働き方の多様化に伴い、社内の通信インフラを見直す企業が増えています。なかでも、長年にわたって多くの導入実績を誇る日立製ビジネスフォンはその信頼性と拡張性から注目を集めています。しかし、「どの機種が自社に適しているのか」、「旧モデルと現行モデルでどのような違いがあるのか」といった疑問を持つ担当者も少なくありません。
そこで今回は日立ビジネスフォンの歴史や主力機種「integral」シリーズの特徴をはじめ、現行モデルと旧モデルの違いや導入時のポイントを詳しく解説します。入れ替えを検討している方や新規導入を迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

日立のビジネスフォンはいつから始まった?

日立のビジネスフォンの歴史は1950年代に始まります。当時はまだ一般的な電話回線が整備されておらず、企業内の通信効率を高めることが大きな課題でした。こうした背景のもと日立は構内交換機(PBX)の開発と提供に着手し、これが後のビジネスフォンの原型となりました。
その後、社内外の通話管理や内線機能を備えた通信インフラとして発展を遂げ、1970年代には高度経済成長とともに導入が加速。工場やオフィス、官公庁などで幅広く活用されるようになります。通信の自動化と効率化を支える日立製品は信頼性の面でも高く評価されてきました。
黎明期から市場に参入していた日立は、蓄積してきたノウハウと技術力をもとに、現在の高性能モデルへと進化を続けています。

年代別に見る日立ビジネスフォンの変遷

日立のビジネスフォンは1950年代の構内交換機から始まり、時代のニーズに応じて進化を続けてきました。ここでは、各年代ごとの技術的背景や代表的なトレンドを振り返りながら日立ビジネスフォンの発展の歩みを紹介します。

1950年代〜1970年代|通信機器の黎明期と構内交換機の導入

1950年代から1970年代にかけては日本国内の通信インフラが整備され始めた黎明期であり、企業の通信環境にも大きな変化が生まれました。この時代、日立はビジネスフォンの前身となる構内交換機(PBX)の開発と導入に注力し、社内通話の効率化を支える製品を次々と展開しています。
代表的な構内交換機は手動によるオペレータ交換を自動化し、内線や外線通話の接続性を大きく向上させました。高度経済成長の追い風を受け、工場やオフィス、官公庁などで構内交換設備の需要が一気に拡大。信頼性と拡張性を兼ね備えた日立の通信システムは、企業の業務効率向上に大きく貢献していきました。

1980年代|アナログ主装置からデジタル化への移行期

1980年代は日立のビジネスフォンにとって技術革新が大きく進んだ転換期でした。従来主流だったアナログ式の主装置からデジタル制御を採用した機種への移行が本格化し、通話の多機能化と高品質化が実現されます。
特に通信品質の安定性と拡張性が大幅に高まり、業務効率を支える通信インフラとしての重要性がいっそう強まりました。あわせて日立は、独自の開発力を背景に、多回線対応や外線転送、保留転送などの業務支援機能を積極的に導入。中小企業から大規模事業者まで、幅広いビジネス環境に応える製品群へと発展を遂げました。

1990年代|ISDNと連携した高機能モデルの普及

1990年代に入ると日本の通信インフラは急速にデジタル化が進み、ISDN(統合サービスデジタル網)が本格的に普及し始めました。これに対応して 日立のビジネスフォンもISDNとの連携機能を強化し、高機能モデルへと発展を遂げます。
複数回線の同時通話や高速データ通信、転送・保留・発着信履歴の管理など、業務効率を支える機能が続々と搭載されました。加えて、主装置や端末の操作性も向上し、オフィスの規模に応じた柔軟な拡張も可能になります。こうした対応力の高さにより、中小企業から大規模オフィスまで幅広いニーズに応じたラインナップが確立され、日立製ビジネスフォンは企業通信の中核として定着していきました。

2000年代|IP化とPHS連携による新世代通信への対応

2000年代に入ると日立のビジネスフォンは本格的にIP対応を開始し、通信の多様化に対応する新世代モデルへと進化しました。IP電話網の普及に伴い、従来の電話網に加え、IPネットワークを活用した音声通信(VoIP)に対応する機種が登場。これにより、通信コストの削減や拠点間通話の効率化が実現されます。
さらに、PHS(簡易型携帯電話)との連携機能も強化され、構内を移動しながら通話できるコードレス環境の整備が進展。これにより、業務の機動性と生産性は大きく向上しました。

2010年代以降|クラウド・スマート連携時代のビジネスフォン

2010年代に入るとビジネスフォンはクラウド技術との連携が進み、オフィス内外を問わず柔軟なコミュニケーション環境の構築が可能になりました。日立のビジネスフォンも例外ではなく、スマートフォンやタブレットとの連携機能を強化し社内外の通話・内線・転送を一元管理できるシステムへと進化を遂げます。
さらにクラウドPBXやひかり電話への対応により、回線コストや運用負担の軽減も実現されました。加えて、災害時のBCP(事業継続計画)を見据えたリモート対応やセキュリティ強化も推進されています。こうした流れの中で日立は「integral」シリーズを中心に、拠点間通話や外出先との連携、スマートデバイス対応など、多様なニーズに応える高機能モデルを展開しています。

主力モデル「integral」シリーズの特徴

日立ビジネスフォンの中核を担う「integral」シリーズは、拡張性・柔軟性・先進性を兼ね備えた多機能モデルです。ここではintegralシリーズの主な特徴や優れた機能について詳しく解説します。

接続台数で選べる柔軟なラインナップ【integral-A〜F】

日立の主力ビジネスフォン「integral」シリーズは、接続台数や用途に応じて選べる豊富なラインナップを備えている点が大きな特長です。小規模オフィス向けの「integral-A」から100台以上の大規模拠点に対応する「integral-F」まで、拡張性と柔軟性に優れた構成が可能となっています。
たとえば少人数の事業所にはコンパクトで省スペースなモデルが適しており、多拠点展開する企業では、内線・外線・IP電話・スマートフォン連携に対応した中〜大規模向けモデルが活躍します。また、いずれのモデルも基本設計が共通化されているため、操作性や設定の一貫性が保たれています。組織変更や人員増加などにも柔軟に対応できるため、中長期的な運用計画にも適しています。

IP対応やひかり電話連携など最新通信規格に対応

日立のビジネスフォン「integral」シリーズは、時代の変化に対応しながら通信規格の進化にあわせて改良が重ねられてきました。特に近年のモデルではIPネットワークへの対応が強化され、LAN環境を活用した柔軟なシステム構成が可能となっています。
さらにNTTの「ひかり電話」など、IPベースの通話サービスにも対応しており、従来のアナログ回線と比べて通話コストを抑えながら、クリアな音声品質を実現しています。既存のネットワークインフラを活かすことで効率的な導入が可能となり、コスト削減や設置工数の軽減にもつながります。

スマートフォンや無線機器との連携機能が充実

日立のビジネスフォン「integral」シリーズは、スマートフォンや無線機器との高度な連携機能を備えており、多様化する働き方にも柔軟に対応しています。たとえばスマートフォンを内線端末として活用できるモバイル連携機能により、外出先や在宅勤務中でも社内電話網を利用した通話が可能になります。
さらに、無線LANやコードレス電話との接続にも対応しており、広いオフィスや工場でも円滑なコミュニケーション環境が構築できます。これにより、社員の居場所に縛られずに情報共有が行えるため、業務効率の向上にもつながります。加えてスマートデバイスを活用した発着信履歴の確認やプレゼンス表示など利便性を高める機能も充実しており、柔軟かつ迅速な業務対応を支援します。

日立の現行モデルと旧モデルの違いは?

日立のビジネスフォンは時代のニーズに応じて進化を続けており、現行モデルと旧モデルでは機能性や使い勝手、運用面で大きな違いがあります。ここでは通信回線の対応状況や搭載機能、ユーザーインターフェース、保守体制、コスト面など具体的な違いに着目しながら比較します。

対応回線・ネットワーク機能の進化

日立のビジネスフォンは時代の進化にあわせて対応回線とネットワーク機能の強化を重ねてきました。旧モデルではアナログやISDN回線が主流でしたが現行モデルではIPネットワーク対応が標準となり、LANを活用した柔軟なシステム設計が可能となっています。
さらに、NTTの「ひかり電話」やクラウドPBXとの連携にも対応し、通信コストの削減や運用負担の軽減にも寄与しています。拠点間接続やリモートワーク環境との親和性も高く、社外からの内線通話や遠隔操作もスムーズに行えます。こうした柔軟性により、企業の成長や働き方の変化に応じた通信環境の整備が進み、信頼性と機動力の向上にもつながっています。

搭載機能とUIの違い

日立のビジネスフォンは旧モデルと現行モデルで搭載機能やユーザーインターフェース(UI)が大きく進化しています。旧モデルでは通話・保留・転送といった基本機能が中心でしたが、現行モデルでは発着信履歴の管理やボイスメール、プレゼンス表示、スマートフォン連携などが標準装備され、業務効率の向上に貢献しています。
UIも刷新されており、ボタン配置や液晶表示が視認性に優れた設計に改良されました。さらに、タッチパネル対応機種の登場により、操作性が大幅に向上。不慣れなスタッフでも扱いやすく、職場全体の作業スピードを底上げする要因となっています。

保守対応・サポート体制の違い

日立のビジネスフォンは旧モデルと現行モデルで保守対応やサポート体制にも大きな違いがあります。旧モデルでは保守部品の供給終了やサポート契約の新規受付停止といった制約があり、故障時の対応が難しくなるケースも見受けられます。
一方、現行モデルでは全国対応の保守ネットワークにより迅速な対応が可能です。さらに、リモート保守による遠隔サポート体制も整備されており、トラブル発生時でもスムーズな復旧が期待できます。クラウド型サービスとの連携によって設定変更やソフトウェアの更新も遠隔で実施でき、運用負担の軽減にもつながります。加えて定期点検やサポートプランも充実しており、企業の運用体制や予算にあわせた柔軟な保守契約が構築できます。

導入コストとランニングコストの比較

日立のビジネスフォンにおける現行モデルは旧モデルと比較して初期導入コストだけでなく、長期的な運用費用にも配慮した設計が特徴です。たとえばIP電話やひかり電話に対応しており、従来のアナログ回線と比べて通信費を大きく削減できます。
また、スマートフォン連携やクラウドサービスとの統合によって内線化やリモート対応も容易になり、外出先や在宅勤務との連携による通話コストも抑えられます。さらに、共通設計による拡張性やメンテナンスの効率化により、保守費用やシステム更新の負担も最小限に抑えられています。旧モデルでは構成変更や機器追加にコストがかかる場面もありましたが、現行機種では柔軟な構成変更が可能となっており、企業の成長や働き方の変化にも無理なく対応できます。

日立ビジネスフォンの強み

日立のビジネスフォンは長年にわたり蓄積された技術と品質を背景に、現代の多様な働き方や企業ニーズに対応する機能を数多く備えています。ここでは導入後の安心感や業務効率化に直結する、日立製ビジネスフォンならではの強みを紹介します。

信頼性の高い日本製品質と長寿命設計

日立のビジネスフォンは国内メーカーならではの高い品質基準に基づいて設計・製造されており、長期間にわたり安定した稼働を実現しています。部品の選定から製造工程、検査体制に至るまで徹底した品質管理が行われ、業務用機器に求められる耐久性と信頼性を兼ね備えています。
さらに、ハードウェアに加えてソフトウェア面でも安定性を重視した設計が採用されており、突然の障害や不具合のリスクも最小限に抑えられます。加えて長期使用を見据えた保守体制や部品供給体制も整っており、製品のライフサイクル全体において高い安心感を提供しています。

業種や規模に応じた柔軟なラインナップ展開

日立のビジネスフォンは業種や企業規模に応じた柔軟なラインナップを展開している点が大きな強みです。例えば、少人数の事務所や店舗には設置スペースを取らないコンパクトモデルが適しており、コールセンターや工場のように多端末・多機能が求められる現場には、大規模対応モデルを導入することが可能です。
また、医療機関や福祉施設にはナースコール連携、ホテル業界では内線管理や清掃ステータス通知など、業種特化型の機能も数多く搭載されています。中小企業から多拠点展開する大企業まで、それぞれの業態に適した通信環境を構築できることも特長の1つです。さらに、シリーズ間で操作性や設定が共通化されているため、拡張や移設も円滑に行えます。事業の拡大や働き方の変化にも、無理なく対応できる点が高く評価されています。

クラウド・スマホ連携など最新ニーズに対応

日立のビジネスフォンはクラウド対応やスマートデバイスとの連携機能を強化しており、現代の多様な働き方や業務スタイルにも柔軟に対応できる点が大きな強みです。クラウドPBXとの接続により、物理的な主装置の設置を最小限に抑えられるため、導入や運用の手間も軽減されます。
また、スマートフォンを内線化するモバイル連携機能により、外出先やテレワーク中でもオフィスの内線番号を使った通話が可能になります。プレゼンス表示や発着信履歴の共有にも対応しており、リアルタイムでの情報連携が円滑に行えます。こうした機能を活用することで、従来の電話機の枠を超えた業務基盤としての役割を果たす通信ツールへと進化している点が、日立製ビジネスフォンの大きな魅力です。

導入後も安心の保守サポートと拡張性

日立のビジネスフォンは導入後の保守体制と拡張性の両面で高く評価されています。保守面では、全国に広がるサポートネットワークと迅速な対応体制により、万一のトラブル発生時でも安心して運用を続けることが可能です。
加えて長期にわたるパーツ供給やファームウェアの更新にも対応しており、安定稼働を支える体制が整備されています。さらに「integral」シリーズは基本設計が共通化されているため、機種の追加・変更・拡張もスムーズに行えます。たとえばオフィスの人員増加や拠点の拡大にあわせて内線数を増やしたり、IP対応機器やスマートフォン連携機能を後から追加したりすることも可能です。

通信コスト削減に貢献する便利機能を多数搭載

日立のビジネスフォンは企業の通信コスト削減に直結する多彩な機能を搭載している点が大きな強みです。たとえば拠点間通話を内線化できるIPネットワーク機能により、通話料金を大幅に抑えることが可能になります。
さらに、スマートフォンやPCと連携したプレゼンス管理機能によって、不要な呼び出しや転送の削減が実現され、通信の効率化にも寄与します。また、発着信履歴の自動記録や、時間外の自動音声応答(IVR)といった機能も備わっており、対応工数の削減にも効果的です。加えてひかり電話に対応することで、従来の固定電話に比べて基本料金や通話料の負担を軽減できる点も見逃せません。

信頼性の高い日立製品で業務効率を高めよう

長年の技術蓄積と実績を背景に日立製ビジネスフォンは企業の多様なニーズに応え続けています。旧来の構内交換機から始まり、ISDN対応、IPネットワーク対応、クラウド連携、スマートフォンとの連携といった進化を重ね、現在では柔軟性・拡張性・操作性に優れた「integral」シリーズが主力として展開されています。特に中小企業にとっては、限られた予算内で信頼性とコストパフォーマンスを両立できる点が魅力です。
さらに、業種別機能や長期的な保守サポート体制も充実しており、安心して運用を続けられるのも大きなメリットです。通信環境の刷新や働き方改革を進める中で、自社の成長に寄り添うパートナーとして、信頼性の高い日立製ビジネスフォンの導入を前向きに検討していきましょう。