2025.05.20

クラウドPBXの導入・運用費用は?コスト削減効果と注意点

目次

法人として電話システムを導入・更新する際、「コストを抑えつつ必要な機能を確保したい」というニーズは共通の課題です。近年注目を集めるクラウドPBXの費用は、従来型のビジネスフォンと比較してどうなのでしょうか。本記事では、クラウドPBXの導入・運用にかかる費用の内訳や、コスト削減効果、選定時の注意点について詳しく解説します。新規開業や電話システムの刷新を検討中の経営者の方に、最適な判断材料となる情報をお届けします。

クラウドPBXとは?従来型電話システムとの違い

クラウドPBXとは、インターネットを通じて提供される仮想電話交換システムです。従来型のPBX(構内交換機)と異なり、物理的な交換機を自社で保有する必要がなく、クラウド上でサービスとして利用できます。クラウドPBXの費用構造は従来のシステムと大きく異なり、初期投資を抑えながら最新の電話機能を利用できる点が特徴です。特に、リモートワークの増加やコスト削減を求める中小企業にとって、注目すべき選択肢となっています。

従来型ビジネスフォンとの比較

従来型のビジネスフォンシステムでは、オフィス内に物理的なPBX機器を設置し、専用電話機と配線工事が必要でした。この方式では高額な初期投資が発生し、拡張や機能追加の際も追加費用と工事が必要になります。

一方、クラウドPBXの費用体系は、サブスクリプション型が主流です。高額な機器購入が不要で、月額利用料を支払うことで最新の電話機能が利用できます。また、インターネット環境さえあれば場所を選ばず使用できるため、リモートワークにも対応しやすいという利点があります。

さらに、保守・メンテナンス費用も大きく異なります。従来型では機器の故障リスクを考慮し、保守契約を結ぶ必要がありましたが、クラウドPBXの費用には基本的にメンテナンス費用が含まれています。設備投資(CapEx)から運用費用(OpEx)へのシフトにより、経営の柔軟性も向上します。

クラウドPBXの主な機能と料金への影響

クラウドPBXの費用は、選択する機能によって変動します。基本的な機能としては、内線通話、外線発着信、転送、保留、通話履歴などが含まれ、これらは標準的な月額料金に含まれることが多いです。

一方、より高度な機能を利用する場合、追加料金が発生する場合があります。例えば、通話録音、IVR(自動音声応答)、CRMとの連携、AI応答などの先進機能は、オプション料金として別途課金されることがあります。

また、クラウドPBXの導入費用に影響する要素として、同時通話数や内線数も重要です。多くのサービスでは、同時通話可能数や利用可能な内線数に応じて料金プランが設定されています。自社の規模や通話量に合った適切なプランを選択することで、無駄なコストを抑えることが可能です。

比較項目 従来型ビジネスフォン クラウドPBX
初期費用 高額(機器購入・工事費) 低額または無料
月額費用 基本料+通話料+保守料 定額サブスクリプション
拡張性 追加工事・機器が必要 オンラインで即時対応可能
保守対応 別途保守契約が必要 基本的に費用に含まれる
リモート対応 追加設備が必要 標準機能として提供
機能更新 機器入替や追加投資が必要 自動アップデートで常に最新
【参考サイト】https://business.ntt-east.co.jp/service/pbx/

クラウドPBXの導入・初期費用の内訳

クラウドPBXの導入費用は、従来型のビジネスフォンと比較して大幅に抑えられることが最大のメリットです。初期費用として一般的に発生する項目としては、初期設定料、アカウント登録料、サポート料などがあります。ただし、多くのサービスでは競争力向上のため、これらの費用を無料または低額に設定していることが増えています。特に新規開業の企業や小規模事業者向けには、初期費用を極力抑えたプランが用意されていることも多いです。

初期設定費用とアカウント登録料

クラウドPBXの初期費用の中で基本的な項目となるのが、初期設定費用とアカウント登録料です。これらの費用は、システムの初期設定やユーザーアカウントの作成に対して発生します。

初期設定費用には、システムの基本設定、電話番号の割り当て、基本的な通話ルーティング設定などが含まれています。多くのサービスでは、競争力強化のためこれらの費用を無料としているケースも増えています。特に新規契約の獲得に力を入れている事業者では、初期費用無料キャンペーンを実施していることも多いです。

アカウント登録料については、利用するユーザー数に応じて費用が発生するケースがあります。クラウドPBXの費用を正確に把握するためには、初期に必要な内線数を明確にし、それに応じた初期費用を確認することが重要です。料金体系は事業者によって異なるため、複数のサービスを比較検討することをおすすめします。

電話番号取得や番号ポータビリティの費用

クラウドPBXの導入費用を考える上で重要なのが、電話番号に関わる費用です。新規に電話番号を取得する場合と、既存の電話番号を引き継ぐ場合で費用が異なります。

新規に電話番号を取得する場合、多くのクラウドPBXサービスでは市内局番の電話番号を無料または低額で提供しています。特定の番号を指定したい場合や、ゴールド番号と呼ばれる覚えやすい番号を希望する場合は、追加費用が発生することがあります。

既存の電話番号をクラウドPBXに移行する費用として、番号ポータビリティ(MNP)の手続き料が必要になることがあります。これは電話番号の権利を移転するための手続きで、一般的に1番号あたりの費用が設定されています。複数の電話番号を移行する場合は、番号ごとに費用が発生することがあるため、事前に確認が必要です。

必要な機器・端末の費用

クラウドPBXの費用を考える際、利用する端末の選択も重要なポイントです。クラウドPBXは様々な端末で利用可能なため、自社のニーズに合わせた選択ができます。

最も一般的なのはIP電話機の利用です。IP電話機は従来の電話機に似た操作感で利用できるため、特に電話対応が多い部署や、ITリテラシーの高くない従業員にも抵抗なく導入できます。IP電話機は機種によって価格帯が異なり、基本的な機能のみの機種から高機能な機種まで様々です。クラウドPBXの導入費用を抑えたい場合は、レンタルプランの活用も一つの選択肢となります。

一方、専用アプリを利用すれば、既存のスマートフォンやPCでもクラウドPBXのサービスを利用することが可能です。この場合、新たな端末購入費用を抑えることができます。特にリモートワークを導入している企業や、外出の多い従業員には、この方法が便利でコスト効率も良いでしょう。

費用項目 内容と考慮点
初期設定費用とアカウント登録料 - システム基本設定費用
- 電話番号割り当て設定費
- 基本的な通話ルーティング設定費
- 無料キャンペーンの有無確認
- ユーザー数に応じたアカウント登録料
- 内線数に応じた初期費用の変動
- 事業者間の料金体系の違い
電話番号取得や番号ポータビリティの費用 - 新規電話番号取得費用
- 市内局番電話番号の提供条件
- 特定番号指定の追加費用
- ゴールド番号(覚えやすい番号)の料金
- 番号ポータビリティ(MNP)手続き料
- 複数番号移行時の費用計算
- 番号ごとの手続き費用確認
必要な機器・端末の費用 - IP電話機の購入費用
- 機種による価格帯の違い
- 基本機能モデルと高機能モデルの選択
- 端末レンタルプランの活用
- 専用アプリ利用による既存端末活用
- スマートフォン利用のコスト効率
- PC利用によるコスト削減
- リモートワーク環境に適した端末選択

クラウドPBXの月額・運用費用の内訳

クラウドPBXの費用で最も大きな割合を占めるのが月額料金です。この料金体系は一般的にサブスクリプション形式となっており、利用する機能や規模に応じて設定されています。基本的な月額費用には、システム利用料、基本機能の利用料、一定の通話料などが含まれていることが多いです。クラウドPBXの運用費用を正確に把握するためには、基本料金に何が含まれ、何が別料金となるかを明確に理解することが重要です。

基本料金とユーザー数による変動

クラウドPBXの月額費用は、主に利用するユーザー数(内線数)によって変動します。多くのサービスでは、ユーザー1人あたりの月額料金に、利用する内線数を乗じた金額が基本料金となります。

基本料金に含まれる機能としては、内線通話、外線発着信、通話転送、保留、通話履歴などの基本的な電話機能が一般的です。サービスによっては、一定量の通話料金や、スマートフォンアプリの利用なども基本料金に含まれることがあります。

企業規模や利用人数によって、段階的な料金設定を採用しているサービスも多いです。たとえば、10ユーザーまで、11〜50ユーザー、51ユーザー以上などの区分で、1ユーザーあたりの料金が段階的に安くなる仕組みです。自社の規模に合わせた最適なプランを選ぶことで、クラウドPBXの費用を効率的に管理できます。

通話料金の仕組みと計算方法

クラウドPBXの運用費用において、通話料金は月々変動する可能性がある項目です。通話料金の仕組みはサービスによって異なりますが、大きく分けて以下のパターンがあります。

  1. 完全定額制:月額料金に無制限の通話料が含まれるプラン
  2. 一定量込み:一定量までの通話料が月額料金に含まれ、超過分は従量課金
  3. 完全従量制:通話量に応じて料金が発生するプラン

通話料金は、通話先の種類(固定電話、携帯電話、国際電話など)によっても異なります。特に国際通話を頻繁に行う企業や、通話量が多い業種では、通話料金がクラウドPBXの費用の大きな部分を占める可能性があります。

自社の通話パターンを分析し、最適な料金プランを選択することで、通話料金を適切に管理できます。多くのサービスでは、利用状況に応じたプラン変更も可能なため、運用しながら最適なプランを見つけることが重要です。

オプションサービス料金

クラウドPBXの費用を考える際、基本機能に加えてどのようなオプションサービスを利用するかも重要です。多くのクラウドPBXサービスでは、基本料金とは別にオプションサービスを提供しており、これらを追加することで月額料金が増加します。

一般的なオプションサービスとしては、以下のようなものがあります:

  1. 通話録音機能:顧客対応の品質管理や研修目的に有用
  2. IVR(自動音声応答):複雑な着信振り分けや自動応答を実現
  3. CRM連携:顧客管理システムと連携し、着信時に顧客情報を表示
  4. AI応答:AIによる自動応答や通話内容の分析
  5. コールセンター機能:待ち行列管理やエージェント監視機能

これらのオプションサービスはクラウドPBXの運用費用を増加させますが、業務効率化や顧客満足度向上に寄与する場合も多いです。自社のニーズに合わせて本当に必要な機能を選択し、費用対効果を考慮したプラン設計を行うことが重要です。

費用項目 内容と考慮点
基本料金とユーザー数による変動 - ユーザー1人あたりの月額料金体系
- 内線数に応じた費用計算方法
- 基本料金に含まれる標準機能(内線通話、外線発着信等)
- 通話履歴・保留機能などの基本機能含有状況
- 基本料金に含まれる通話料の有無
- スマートフォンアプリ利用の基本料金算入状況
- 企業規模別の段階的料金設定
- ユーザー数区分ごとの単価変動
通話料金の仕組みと計算方法 - 完全定額制プランの有無
- 一定量込みプランの通話量上限
- 完全従量制の単価設定
- 通話先種類別料金(固定電話/携帯電話/国際電話)
- 国際通話の国・地域別料金体系
- 通話量の多い業種での費用シミュレーション
- 利用状況に応じたプラン変更の柔軟性
- 最適プラン選択のための通話パターン分析方法
オプションサービス料金 - 通話録音機能の料金体系
- 録音データの保存期間と容量による料金変動
- IVR(自動音声応答)オプションの費用
- CRM連携機能の追加料金
- AI応答・通話分析機能の価格
- コールセンター機能(待ち行列管理等)の費用
- オプション組み合わせによる割引の有無
- 業務効率化効果との費用対効果分析

 

【参考サイト】https://business.ntt-east.co.jp/service/pbx/charge.html
【参考サイト】https://business.ntt-west.co.jp/service/bizphone/pbx/price.html

クラウドPBXの導入によるコスト削減効果

クラウドPBXの費用対効果は、単純な月額料金だけでなく、総所有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)の観点から評価することが重要です。従来型のビジネスフォンと比較して、初期投資の大幅な削減、保守・メンテナンス費用の節約、リモートワーク対応によるオフィススペースコストの削減など、様々な側面からコスト削減効果が期待できます。実際の導入企業の多くは、中長期的に見て大幅なコスト削減を実現しています。

初期投資とランニングコストの削減

クラウドPBXの導入費用の大きな特徴は、初期投資が従来型のビジネスフォンと比較して大幅に抑えられる点です。従来型では高額なPBX機器の購入や専門的な設置工事が必要でしたが、クラウドPBXではそれらがほぼ不要になります。

ランニングコストの面でも、クラウドPBXは以下のような削減効果が期待できます:

  1. 機器保守費用の削減:物理的な機器が少ないため、保守費用が大幅に削減
  2. 電気代の削減:サーバー機器を自社で保有しないため、電力消費が少ない
  3. スペースコストの削減:機器設置スペースが不要になる
  4. システム更新費用の削減:ソフトウェアの更新が自動的に行われ、追加費用が発生しない

特に中小企業にとって、クラウドPBXの費用削減効果は大きく、限られた予算の中で高機能な電話システムを導入できる点が魅力です。月額料金は発生するものの、総合的なコスト面では中長期的に見て従来型よりも経済的である場合がほとんどです。

業務効率化による人件費削減効果

クラウドPBXの導入による間接的なコスト削減効果として、業務効率化による人件費削減が挙げられます。クラウドPBXの持つ自動化機能や先進的な電話機能により、従業員の業務効率が向上し、人的リソースを最適化できます。

例えば、以下のような効果が期待できます:

  1. 自動応答機能による電話対応工数の削減
  2. 着信振り分け機能による適切な担当者への直接転送
  3. 在宅勤務環境の整備による人材確保コストの削減
  4. 通話分析による業務改善と効率化

これらの効果により、クラウドPBXの費用以上の人件費削減を実現できる可能性があります。特に電話対応が業務の大きな部分を占める企業や、複数拠点での業務連携を行う企業では、その効果が顕著に表れます。

業務効率化による効果は数値化しにくい面もありますが、従業員一人あたりの対応可能な顧客数の増加や、顧客満足度の向上など、ビジネス成果につながる間接的な効果も含めて評価することが重要です。

通話料金の最適化

クラウドPBXの運用費用の中で大きな割合を占める可能性があるのが通話料金です。クラウドPBXでは、IP電話技術を活用することで、従来の固定電話と比較して通話料金を抑えることが可能です。

通話料金の最適化のポイントとしては、以下が挙げられます:

  1. 社内通話や拠点間通話の無料化
  2. インターネット回線を活用した低コストの外線通話
  3. 通話パターンに合わせた最適な料金プランの選択
  4. 国際通話の低コスト化

特に複数拠点を持つ企業や、国際通話が多い企業では、クラウドPBXの費用削減効果が大きく表れます。従来型の電話システムでは高額だった拠点間通話や国際通話が、インターネット回線を通じて大幅に安価になる点が大きなメリットです。

また、通話分析機能を活用することで、通話パターンを可視化し、より効率的な通話運用が可能になります。これにより、無駄な通話を減らし、さらなる通話料金の最適化が期待できます。

クラウドPBX選びの際の費用面での注意点

クラウドPBXの費用を正確に把握するためには、表面上の月額料金だけでなく、隠れたコストや将来的な費用変動要素も考慮する必要があります。サービス選択の際には、契約期間や解約条件、アップグレード時の追加費用、サポート範囲なども確認することが重要です。また、自社の成長に合わせて柔軟にスケールできるかどうかも、長期的なコスト管理の観点から重要なポイントとなります。

隠れコストに注意

クラウドPBXの費用を検討する際には、明示的な料金だけでなく、潜在的な「隠れコスト」にも注意する必要があります。初期の見積もりには含まれていないものの、実際の運用段階で発生する可能性のある費用を事前に把握しておくことが重要です。

代表的な隠れコストとしては、以下のようなものが考えられます:

  1. 契約期間途中での解約違約金
  2. 機能追加・拡張時の追加費用
  3. 基本サポート外のカスタマイズ対応料
  4. データバックアップや復旧に関する費用
  5. ユーザー数増加時の追加料金体系の変化

契約前には、これらの点について詳細に確認し、総合的なクラウドPBXの導入・運用費用を算出することが重要です。特に複数年契約の場合は、契約期間中の料金変動の可能性やスケールアップ時の費用についても確認しておくべきでしょう。

見積もりを複数のサービス事業者から取得し、明示的な料金だけでなく、これらの隠れコストも含めた総合的な比較を行うことをお勧めします。

インターネット回線のコストと品質

クラウドPBXの運用費用を考える際に見落としがちなのが、インターネット回線のコストと品質です。クラウドPBXはインターネット回線を介して音声通信を行うため、安定した品質の回線が必要不可欠です。

適切なインターネット環境を整備するためには、以下の点を考慮する必要があります:

  1. 十分な帯域幅(ユーザー数×必要帯域)の確保
  2. 通信の安定性を確保するための固定IPの導入
  3. 通話品質を担保するためのQoS対応
  4. 万一の障害に備えたバックアップ回線の検討

これらの要素はクラウドPBXの費用に直接含まれるものではありませんが、質の高い通話環境を実現するためには必要な投資となります。特に既存のインターネット環境が十分でない場合は、回線のアップグレードや追加契約が必要になる可能性があります。

ただし、既に十分な回線環境を整備している企業の場合は、追加投資なしでクラウドPBXの導入が可能な場合もあります。自社の通信環境を事前に評価し、必要に応じた対策を講じることが重要です。

将来的な拡張性とコスト

クラウドPBXの費用を長期的な視点で捉える際に重要なのが、将来的な拡張性とそれに伴うコスト変動です。事業成長に伴い、内線数の増加や機能拡張が必要になった場合の費用スケールを事前に把握しておくことが重要です。

考慮すべきポイントとしては、以下のようなものがあります:

  1. ユーザー追加時の料金体系(定額制か従量制か)
  2. 大幅な増員時の料金プラン変更条件
  3. 機能追加・アップグレードの料金体系
  4. 契約期間中の料金改定の可能性
  5. 長期契約による割引率の変動

クラウドPBXの導入費用は初期段階では従来型と比較して低く抑えられますが、長期的な運用においては、これらの拡張性とコスト変動を考慮した計画が必要です。特にスタートアップや成長フェーズにある企業では、今後の事業拡大を見据えた柔軟なスケーラビリティを持つサービスを選択することが重要です。

サービス選定時には、現在の規模だけでなく、3〜5年後の想定規模での費用シミュレーションも行うことをお勧めします。

【参考サイト】https://business.ntt-east.co.jp/content/denwa/tel_column/pbx_demerit/
【参考サイト】https://business.ntt-west.co.jp/service/bizphone/pbx/article.html

FAQ:クラウドPBXの費用に関するよくある質問

クラウドPBXの導入費用や運用費用について、企業から多く寄せられる質問にお答えします。初期費用の相場、月額料金の内訳、コスト削減効果の目安など、導入を検討する際に気になるポイントについて解説します。費用面での不安や疑問を解消し、自社に最適なクラウドPBXサービスを選ぶための参考にしてください。

Q1. クラウドPBXの初期費用の相場はどのくらいですか?

クラウドPBXの初期費用の相場は、サービス提供事業者や選択するプランによって大きく異なります。一般的な傾向として、多くのサービスでは初期費用を抑えた料金設定となっています。

基本的な初期費用としては、アカウント設定料、初期設定サポート料、電話番号取得費用などが含まれます。小規模な導入(10内線程度)の場合、これらの費用が無料または低額に設定されているサービスも多く見られます。競争が激しい市場環境を反映し、初期費用無料のキャンペーンを実施しているケースも増えています。

ただし、より大規模な導入や、複雑な設定が必要な場合は、カスタマイズ費用やコンサルティング料金が発生することがあります。また、既存電話番号の引継ぎ(MNP)を行う場合には、番号ポータビリティの手続き費用が必要になる場合もあります。

クラウドPBXの費用を正確に把握するためには、複数のサービス事業者から見積もりを取得し、自社の要件に合わせた比較検討を行うことをお勧めします。

Q2. 月額費用には何が含まれていますか?

クラウドPBXの月額費用に含まれる内容は、サービスによって異なりますが、一般的には以下の要素が含まれています:

  1. 基本利用料:システム利用の基本料金
  2. ユーザーライセンス料:内線数に応じた料金
  3. 基本機能利用料:内線通話、転送、保留などの基本機能
  4. クラウド利用料:データ保存やシステム利用のためのクラウド環境
  5. 基本サポート料:平日営業時間内のサポート対応

また、サービスによっては以下の要素も月額費用に含まれる場合があります:

  1. 一定量の通話料(市内通話無料など)
  2. スマートフォンアプリの利用料
  3. 通話履歴などの基本的なレポート機能
  4. セキュリティ対策(暗号化通信など)

一方、以下のような項目は追加料金となるケースが多いです:

  1. 通話録音機能
  2. 高度なIVR(自動音声応答)機能
  3. CRMなどの外部システム連携
  4. 24時間365日のサポート
  5. 通話分析などの高度なレポート機能

クラウドPBXの運用費用を正確に把握するためには、月額料金に含まれる内容と追加料金となる項目を明確に区分して確認することが重要です。

Q3. 導入によるコスト削減効果はどのくらい期待できますか?

クラウドPBXの導入によるコスト削減効果は、企業の規模や既存システムの状況、利用形態によって大きく異なりますが、一般的には以下のような削減効果が期待できます。

まず、初期投資については従来型のオンプレミスPBXと比較して大幅な削減が可能です。物理的な交換機や専用端末の購入が不要になるため、特に新規導入時のコスト削減効果は顕著です。

ランニングコストについては、以下の側面からの削減効果が期待できます:

  1. 保守・メンテナンスコストの削減:物理機器の保守が不要になり、ソフトウェアのアップデートも自動で行われるため、保守費用が大幅に削減されます。
  2. 通話料金の削減:IP電話技術を活用することで、特に拠点間通話や国際通話のコストが削減されます。
  3. 運用管理コストの削減:管理画面からの簡単な操作で設定変更が可能なため、専門知識を持つ担当者の工数が削減されます。
  4. スペースコストの削減:サーバールームや機器設置スペースが不要になります。
  5. 電気代の削減:自社内でのサーバー運用が不要になるため、電力コストが削減されます。

具体的な削減率は企業によって異なりますが、総合的なコスト(TCO)として見た場合、クラウドPBXの費用は従来型と比較して中長期的に20〜40%程度の削減効果が報告されています。特に複数拠点を持つ企業や、成長フェーズにある企業では、その効果がより顕著に表れる傾向があります。

当社サービス利用者の声

クラウドPBXの費用対効果について、実際に導入した企業からの声をご紹介します。様々な業種・規模の企業が、コスト削減や業務効率化を実現した事例を通じて、導入のメリットを具体的にお伝えします。それぞれの企業が抱えていた課題と、クラウドPBX導入によってどのように解決したのかをご覧ください。導入を検討している企業様にとって、参考となる情報をお届けします。

不動産会社A社様(従業員15名)

「当社では以前、従来型のビジネスフォンを使用していましたが、機器の老朽化に伴い新しいシステムへの移行を検討していました。複数の選択肢を比較した結果、クラウドPBXの費用メリットに魅力を感じ導入を決定しました。

最も大きかったのは初期投資の削減です。従来型システムの更新では高額な見積もりが出ていましたが、クラウドPBXの導入費用は約3分の1に抑えることができました。また、月々の運用コストも保守費用込みで以前より削減でき、結果的に総コストが大幅に下がりました。

特に効果を感じているのは、スマートフォンアプリとの連携機能です。物件案内で外出中の営業スタッフでも、オフィスの電話番号で対応できるようになり、お客様からの信頼度も向上しました。当初は新しいシステムへの移行に不安もありましたが、直感的な操作性と手厚いサポートのおかげで、IT知識の少ないスタッフでもスムーズに適応できました。」

製造業B社様(従業員30名)

「当社は複数の営業所を持つ製造業ですが、拠点間のコミュニケーションコストが課題でした。クラウドPBXの導入を決めた最大の理由は、拠点間通話の無料化と管理の一元化です。

以前は拠点ごとに異なる電話システムを導入していたため、拠点間通話でも通常の通話料金がかかっていました。また、システムの管理も拠点ごとに行う必要があり、設定変更などの際には専門業者に依頼する手間とコストがかかっていました。

クラウドPBXの費用は月額制のため予算管理がしやすく、拠点間通話が無料になったことで通話料金が約40%削減されました。また、本社からすべての拠点の電話設定を一元管理できるようになり、管理工数も大幅に削減できています。

特に感じているのは、事業拡大時の柔軟性です。新しい拠点の開設時も、インターネット環境さえあれば即座に同じ電話システムを利用開始できるため、事業のスピード感を維持しながら成長できています。クラウドPBXの運用費用は当初の予想よりも効果的な投資となりました。」

医療クリニックC様(スタッフ12名)

「当クリニックでは、患者様からの電話予約や問い合わせが多く、電話対応の効率化が課題でした。従来の固定電話では対応しきれず、電話の取りこぼしも発生していました。クラウドPBXの導入費用を検討した際、初期投資の低さに魅力を感じ、思い切って移行を決断しました。

結果として、自動応答機能により患者様を適切な担当に振り分けられるようになり、待ち時間の短縮と満足度向上につながりました。また、通話録音機能を活用することで、スタッフの電話対応研修にも役立てています。

クラウドPBXの費用は月額制ですが、電話対応の効率化により人的リソースを最適化できたため、総合的にはコスト削減につながっています。特に夜間や休診日の対応では、自動応答により基本情報を案内できるようになり、スタッフの負担軽減と同時に患者様の利便性も向上しました。

医療機関として個人情報の取り扱いには細心の注意を払っていますが、セキュリティ面でも安心して利用できている点も大きなメリットです。初期の不安をよそに、クラウドPBXの導入は当クリニックの運営効率化に大きく貢献しています。」

まとめ

クラウドPBXの費用は、従来型のビジネスフォンと比較して、初期投資を大幅に削減できる点が最大のメリットです。月額制のサブスクリプションモデルにより、予算計画も立てやすくなります。導入費用としては、初期設定料やアカウント登録料、端末費用などがありますが、多くのサービスでは初期費用を抑えた料金プランを提供しています。

運用費用としては、基本料金、通話料金、オプションサービス料金などが主な内訳となります。クラウドPBXの導入によるコスト削減効果は、初期投資の削減だけでなく、保守費用の削減、通話料金の最適化、業務効率化による人件費削減など多岐にわたります。サービス選定の際には、隠れコストや将来的な拡張性も考慮した総合的な費用対効果の評価が重要です。

自社の規模や通話状況に合わせた最適なサービスを選ぶことで、コスト削減と業務効率化の両立が可能になります。

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