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オフィス移転や増設、縮小などのタイミングで発生するビジネスフォンの移設。必要な工事内容や費用の内訳がわかりにくく、どこに何を依頼すべきか戸惑う総務担当者も多いのではないでしょうか。主装置や電話機の移設に加え、配線工事や機器の追加・設定費用など、項目ごとに発生するコストを正確に把握することが、無駄のない移設計画につながります。また、費用を抑えるには不要な機器の整理や複数業者からの見積もり取得、クラウドPBXの導入検討といった工夫も効果的です。
そこで今回は、ビジネスフォン移設にかかる費用の内訳からコスト削減のポイント、業者選定のコツまでを丁寧に解説します。
ビジネスフォン移設で発生する費用の内訳
ビジネスフォンの移設には、主装置や電話機の設置費用だけでなく、屋内外の配線工事費や機器の追加・交換費用など、さまざまなコストが発生します。ここでは、移設にともなう主な費用項目について解説します。
1.屋外回線工事の費用
屋外回線工事はビジネスフォンの移設時に必要となる作業の1つで、NTTなどの通信事業者が対応します。主に、電話回線を建物の外から屋内へ引き込む作業が該当し、「基本工事費」、「交換機等工事費」、「屋内配線工事費」の3つに分類されます。
費用の目安は合計でおおよそ10,000円〜22,000円程度。ただし、回線の種類や地域、契約状況によって変動する点には注意が必要です。
なお、屋外回線工事はNTTなどの通信キャリアにしか依頼できないため、移設先の住所が決まった段階で早めに申し込むことが重要です。特に繁忙期は予約が取りづらくなるため、1カ月以上前からの事前手配が推奨されます。
詳細な見積もりを取得するには、移設先の建物情報や現在の回線構成を把握しておくことが求められます。
2.屋内配線工事の費用
ビジネスフォンの移設では屋内配線工事も必要です。これは主装置から各電話機まで回線をつなぐ工事であり、作業はNTTではなく専門の業者が対応します。
費用は工事の内容や電話機の台数によって変動します。一般的な内訳としては、基本出張費(1人あたり3,000円〜15,000円程度)、主装置の設置費(1台あたり約10,000円)、電話機の設置費(1台あたり約8,000円)に加え、データ設定費やFAX接続費なども発生します。
たとえば主装置1台と電話機5台を移設するケースでは、全体の相場はおよそ90,000円程度と見込まれます。
なお、撤去工事が必要な場合には別途約10,000円ほどの費用が加算されます。業者ごとに料金体系や対応範囲が異なるため、事前に複数社から見積もりを取ることが、費用を抑えるうえでおすすめです。
3.機器の追加・交換が必要な場合の費用
ビジネスフォンの移設に際し、電話機や主装置などの機器を追加・交換する必要がある場合には、別途費用が発生します。たとえば従業員数の増加にともなって電話機を増設するケースや、移設先のレイアウト変更により機種の入れ替えが求められるケースが該当します。
なお、古い機種の場合は増設や設定変更に対応できないことがあり、その際には新しい機種への買い替えが必要となります。その分機器代金が別途かかる点にも注意が必要です。
こうした費用は見積もりの段階であらかじめ確認しておくことが重要です。将来的な業務拡大も視野に入れ、拡張性のある機器を選んでおくと長期的にはコストの抑制にもつながります。
4.工事立ち合いや現地調査にかかる費用
ビジネスフォンの移設にあたっては、事前の現地調査や工事当日の立ち合いにかかる費用も、見積もりに含まれるのが一般的です。
現地調査では既存設備の確認や配線ルートの把握、設置場所のレイアウト確認などを行い、最適な工事プランを立てるために欠かせない工程となります。こうした調査にかかる費用は業者によって異なりますが、基本出張費として1人あたり3,000円〜15,000円程度が相場とされています。
また、工事当日の立ち合いについても、オフィスの使用状況や通信機器の接続確認が必要な場合には、追加費用が発生することがあります。費用を抑えるには現地調査を無料で実施している業者を選ぶ、立ち合いを社内の担当者で対応するなどの工夫が効果的です。
これらの費用も含め、事前に見積もり段階で明確にしておきましょう。
費用相場はいくら?主装置・電話機・回線工事の目安
ビジネスフォンの移設では、主に「主装置・電話機の設置費用」と「屋外回線・屋内配線の工事費用」が発生します。以下は、一般的なケース(主装置1台・電話機5台)における費用の目安です。
項目 |
内容 |
費用目安 |
主装置 |
設置費1台 |
約10,000円 |
電話機 |
設置費5台 |
約40,000円 |
屋内配線工事 |
出張・設定含む |
約40,000円 |
屋外回線工事 |
NTTによる回線引き込み |
約10,000円 |
合 計 |
約10万円前後 |
ただし、電話機の台数や配線の長さ、機種の種類によって費用は上下します。また、オフィスのレイアウトや導入する回線の種類も価格に影響するため、正確な費用を把握するには現地調査が不可欠です。
まずは自社の状況に応じた工事内容を整理したうえで、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
ビジネスフォンの移設費用が変動する3つの要因
ビジネスフォンの移設費用は、主に「回線工事の有無と種類」、「電話機・主装置の台数と機種」、「移設先のレイアウトや建物環境」によって大きく変動します。ここではそれぞれの要因について詳しく解説します。
・回線工事の有無と種類
ビジネスフォンの移設費用は、回線工事の有無やその種類によって大きく左右されます。移設先で新たに電話回線を引き込む必要がある場合は、NTTなどの通信事業者による屋外回線工事が発生します。相場は基本工事費や交換機工事費を含めて1万〜2万円前後です。
一方で、既存の回線をそのまま活用できるケースでは、回線工事費を抑えられることもあります。また、光回線(ひかり電話)・IP電話・アナログ回線といった回線の種類によっても必要な工事や設定内容は異なります。特に光回線を利用している場合は、ルーターやPBXとの接続に注意が必要となることがあります。
そのため、移設にあたっては事前に回線の種別や必要な工事内容を確認しておくことが重要です。適切な準備と業者選びによって、余計なコストの発生を防げます。
・使用中の電話機・主装置の台数と機種
使用中の電話機や主装置の台数・機種も、移設費用に大きく影響します。一般的には電話機1台あたりの設置費用は約7,000〜10,000円、主装置1台で約7,000〜15,000円が相場と言われています。
このほか、データ設定や機種ごとの仕様調整が必要な場合には、1台あたり3,000円前後の追加費用が発生することもあります。特に旧型の機種や特定メーカー専用の機器を使用している場合は、移設先での互換性の確認や設定変更が必要となり、その分コストが増える可能性があります。
さらに、主装置と電話機のメーカーが異なり互換性がないケースでは新たに機器を購入したり、買い替えを検討したりする必要も出てきます。こうした場合は導入コストが大幅に上がることもあるため注意が必要です。
移設費用を正確に把握するには、現地調査の実施とともに使用中の機種ごとの仕様確認を行っておくことが重要です。
移設先のレイアウトや建物環境
ビジネスフォンの移設費用は、移設先のレイアウトや建物の構造によっても変動します。たとえば床下に配線スペースが確保されたOAフロアであれば配線作業がしやすく、比較的低コストでの施工が可能です。
一方で配線ルートが複雑な場合や、天井配線・階をまたぐ工事が必要な建物では作業時間や人員が増えるため、費用も高額になる傾向があります。また、モールやフラットケーブルなどの追加資材が必要になるケースもあり、美観や安全性を考慮すると、さらにコストがかさむこともあります。
そのため、配線環境に適した工法を選ぶことが重要です。事前に現地調査を実施し最適な施工計画を立てることで、無駄な出費やトラブルを抑えやすくなります。
ビジネスフォンの移設費用を抑えるためのコツ
ビジネスフォンの移設費用を抑えるには、不要な機器の整理や既存配線の活用、クラウドPBXの導入検討などが効果的です。ここでは移設時に実践できる代表的な節約方法を紹介します。
・不要な回線・電話機は事前に解約しておく
ビジネスフォンの移設費用を抑えるには、不要な回線や使用していない電話機を移設前に整理・解約しておきましょう。たとえば過去に使用していたものの現在は使っていない内線用電話機や回線をそのまま移設対象に含めてしまうと、無駄な工事費や設定費が発生します。
また、主装置の設定や回線数に応じて配線工事が必要になるため、不要な機器があるだけで作業工程が増え、トータルコストが高くなるケースも少なくありません。この機会に現状の利用状況を見直し、使用頻度の低い機器を整理することで、必要最小限の台数・回線数に最適化された構成へと見直すことができます。さらに不要な契約回線を解約することで移設後の毎月の基本料金も削減でき、長期的なコスト削減にもつながります。
・配線工事の有無を事前に業者に確認する
ビジネスフォンを移設する際に費用を抑えるには、あらかじめ配線工事の有無を業者に確認しておくことも重要です。移設先に既存の配線が残っていれば新たに工事を行わずに済むこともあり、コスト削減につながります。
一方で、オフィスのレイアウト変更や階層をまたぐ配線が必要なケースでは、配線ルートの再設計や追加資材が発生し、費用が高くなる傾向があります。特にLAN配線やOAフロア対応など工法によって費用は大きく変動するため、現地調査によって状況を把握し、工事の要否を判断してもらうことがポイントです。
また、一部の業者では既設配線を活用することで、費用を最小限に抑える提案をしてくれることもあります。移設工事を計画する段階で必ず確認し、必要に応じて配線図面を用意しておくと、正確な見積もりとスムーズな施工につながります。
・必ず複数の業者から見積もりを取る
ビジネスフォンの移設工事では必ず複数の業者から見積もりを取ることが大切です。業者によって工事費の算出基準やサービス内容、アフターサポートの有無が異なるため、同じ内容でも費用が数万円単位で変動することがあります。
特に中古機器の取り扱いや配線方法、設定費用などで差が出やすく、1社だけの見積もりでは適正価格がわかりにくいというリスクもあります。複数の見積もりを比較すれば不要なオプションの削減や費用交渉の材料にもなり、結果として最適な業者の選定につながります。
相場を把握するには少なくとも3社以上の見積もりを比較するのが理想です。コスト面だけでなく納期や対応力も含めて総合的に判断しましょう。
・通信会社のキャンペーンや割引を利用する
ビジネスフォンの移設費用を抑えるために、通信会社や電話工事業者が実施しているキャンペーンや割引制度をうまく活用するのもおすすめです。
たとえば回線の新設と移設を同時に申し込むと工事費が割引されるケースや、一定期間内の契約によって機器費用が無料になる特典が用意されていることもあります。
さらに、ビジネスフォンとインターネット回線をセットで申し込むことで月額料金が安くなる「セット割」なども各社が展開しています。これらの割引内容は時期や条件によって異なるため、導入前に各社の公式サイトで最新情報を確認し、自社に適用できるキャンペーンがあるかどうかをチェックしておくことが大切です。
こうした制度を賢く活用すれば、初期費用だけでなく、月々の通信コストも大きく削減できます。
・クラウドPBXへの切り替えを検討する
ビジネスフォンの移設費用を抑える方法として、クラウドPBXへの切り替えもおすすめです。従来型のビジネスフォンでは主装置の設置や配線工事が必要となり、移設のたびに高額な工事費が発生するケースも少なくありません。
一方、クラウドPBXは主装置機能をインターネット上に持たせる仕組みのため、物理的な設置工事が不要です。スマートフォンやパソコンでも利用できることから環境を問わず柔軟に運用できます。
これにより、主装置の購入費や配線工事にかかる費用を大幅に削減でき、初期投資を抑えることが可能になります。さらに、テレワークや外出先からの通話にも内線感覚で対応できるため、働き方の多様化にも対応しやすい点が魅力です。
増設作業もオンラインで完結できるため、拠点が増える企業や成長段階にあるスタートアップにも適した選択肢といえます。
ビジネスフォン移設工事の流れと注意点
ビジネスフォンの移設工事では配線作業や機器設定など複数の工程が関わるため、事前準備と計画的な進行が不可欠です。ここでは、移設工事の基本的な流れと注意点を解説します。
・ビジネスフォン移設工事の基本的な流れ
ビジネスフォンの移設工事はいくつかのステップを踏んで進められます。まず移設先の物件が決まり次第、現状の電話回線を確認し、新オフィスで必要となる機能や設置条件を整理します。
次に、NTTなどの通信事業者や専門業者へ移設の申し込みを行い、工事日程や作業スケジュールを調整します。あわせて、現在のオフィスでは撤去準備を進め、レイアウト案をもとに配線計画を立てておくとスムーズです。
移設当日は最初に回線の引き込み工事を行い、その後、主装置や電話機の設置・設定・接続といった作業に移ります。作業完了後には動作確認を実施し、通話や内線が問題なく機能するかをチェックして完了となります。
・工事前に必ず行うべき準備事項
ビジネスフォンの移設工事を円滑に進めるには、事前確認・チェックをしておくことが大切です。
まず、移転先でも現在の電話番号をそのまま利用できるかどうかを確認しましょう。これはNTTの収容局エリアに依存するため、早めに確認する必要があります。
次に、現在契約している回線の種類(アナログ・ISDN・IP電話など)や事業者を把握しておくことが重要です。これにより、回線の移設や設定変更にともなうトラブルを未然に防ぐことができます。
また、使用中の電話機や主装置の仕様、設置場所、利用状況も整理しておきましょう。これらの情報を業者との打ち合わせ時に伝えられると、作業がスムーズに進みます。あわせて、移設先のレイアウト案をあらかじめ作成しておくと配線や設置位置の判断が迅速に行えます。さらに、移転当日に電話が使えない状況に備えて、ボイスワープなどの転送サービスの利用も検討しておくとより安心です。
・電話番号変更の有無と確認方法
オフィス移転に伴い現在の電話番号を継続して利用できるかどうかは、事前に必ず確認しておきたい重要なポイントです。基本的には同一の市外局番エリア内であれば番号をそのまま使えますが、NTTの収容局が異なるエリアへの移転では、新しい番号への変更が必要になる場合があります。
確認方法としてはNTT東日本・西日本の公式サイト、または局番なしの「116」へ問い合わせることで、移転先での番号継続可否を事前に把握できます。
もし番号変更が必要となる場合は名刺やWebサイトの修正に加え、顧客や取引先への周知も忘れずに行いましょう。NTTでは、旧番号から新番号への自動アナウンスサービスを最大3カ月まで無料で提供しています。番号変更にともなう混乱を抑える手段として、こうしたサービスの活用もおすすめです。
・トラブルを防ぐための注意点と対策
ビジネスフォンの移設工事を円滑に進めるには、事前準備と関係者との情報共有が大切です。特に注意すべき点は工事スケジュールの遅延、電話番号の変更、配線ミスなどです。
こうしたトラブルを防ぐには、移転予定日の1カ月以上前に回線業者や工事業者と打ち合わせを行い、回線の種類や機器構成、設置場所を明確にしておくことが重要となります。
また、工事日と移転日がずれる場合に備え、電話転送サービス(ボイスワープ)や新番号案内のアナウンス機能を活用することで顧客対応の混乱を避けやすくなります。加えて、機器の台数や仕様に変更がある際には必ず現地調査を依頼しましょう。構成変更による混乱を本番当日に持ち込まないための対策として効果的です。
こうした準備を徹底することで、ビジネスフォンの移設をスムーズかつ確実に進めることができます。
ビジネスフォンの移設を依頼する業者選定のポイント
ビジネスフォンの移設を成功させるには、業者選びが非常に重要です。ここでは信頼できる業者を選定するためのポイントを紹介します。
1.ビジネスフォン移設の実績が豊富な専門業者を選ぶ
ビジネスフォンの移設工事を成功させるには、実績のある専門業者を選ぶことが大切です。導入事例が豊富な業者であれば業種やオフィスの規模に応じた課題への対応に慣れており、トラブルを防ぎながら最適な提案を行ってくれます。
特に、オフィス移転にともなう配線工事や主装置の再設定には高度な専門知識が求められるため、経験の浅い業者では不具合や予期せぬ追加費用が発生するリスクがあります。実績を見極める際は、公式サイトに掲載されている導入事例や利用者の口コミ、業界内での評価などを参考にしましょう。あわせて自社と同業種・同規模の施工経験があるかも確認しておくと安心です。
こうした実績を持つ業者であれば、急な仕様変更やトラブルが生じた際にも柔軟に対応できる体制が整っており、信頼して任せることができるでしょう。
2.費用内訳が明確な見積もりを提示する業者を選ぶ
ビジネスフォンの移設を依頼する際は、費用内訳が明確に記載された見積もりを提示する業者を選ぶことも重要です。「工事一式」などの曖昧な表記では具体的に何にいくらかかるのか判断できず、想定外の追加費用が発生する恐れがあります。
「機器代金」、「工事費」、「配線費」、「人件費」、「設定費」といった各項目が個別に記載されていれば適正価格かどうかを見極めやすく、社内での稟議や予算策定もスムーズに進められます。さらに、複数の業者から相見積もりを取り費用構成を比較することで、不要なオプションを省いたり、価格交渉の材料にしたりすることも可能です。
見積もりの段階から丁寧に対応してくれる業者は、施工後のアフターフォローにも期待が持てます。こうした対応の姿勢ひとつとっても、信頼できる業者を見極めるうえでの大切な判断材料となります。
3.移設後の保守・サポート体制が整っている業者を選ぶ
ビジネスフォンの移設を成功させるには、移設後の保守・サポート体制が整った業者を選ぶことも大切です。導入直後は問題なく使えていても思わぬトラブルや機器の不具合が後から発生することがあります。
そうした事態に迅速に対応できる業者であれば、業務への影響を最小限に抑えられます。たとえば24時間対応の電話サポートや即日訪問サービスを用意している業者であれば、急な不具合にも安心して対応してもらえるでしょう。
さらに、設定変更や操作方法のフォローが受けられるかどうかも重要な確認項目です。サポート内容や対応範囲、費用の有無を事前に把握し、長期的に安心して任せられる業者を選びましょう。
4.ネットワーク工事やPBX設定まで一括対応できる業者を選ぶ
ビジネスフォンの移設をスムーズに進めるには、ネットワーク工事からPBX(主装置)の設定まで一括して対応できる業者を選ぶことも大切です。回線の引き込みや配線工事、電話機の設定に加え、PBXの設置や構成変更、LANとの連携作業までを一社で担える業者であれば作業の重複や連絡ミスを防ぎやすく、コスト面でも効率的に進められます。
特にIP-PBXやクラウドPBXを導入する場合は、LAN配線やセキュリティ機器との接続などネットワーク全体を把握した対応が求められます。そのため、システム全体を理解し柔軟に対応できる業者が理想です。
さらに、アフターサポートの充実度やトラブル発生時の対応力も重要な判断材料となります。こうした要素を総合的に評価することで、長期的に信頼できるパートナーを見つけることができるでしょう。
クラウドPBXなら移設工事不要?選択肢としての検討も
クラウドPBXは従来のビジネスフォンとは異なり、主装置や配線の設置工事が不要な点が大きな特徴です。ここではクラウドPBXを導入するメリットや検討時の注意点について解説します。
クラウドPBXなら物理的な配線工事が不要になる理由
クラウドPBXは従来のビジネスフォンと異なり、オフィス内に主装置を設置する必要がありません。主装置がクラウド上に構築されているため各端末はインターネットを介して接続され、内線や外線の通話が可能となります。
この仕組みにより電話線の配線工事や主装置の設置といった作業が不要となり、移設時の工事費用や作業時間を大幅に削減することができます。
さらに、スマートフォンやPCをビジネスフォンとして利用できるため、既存の電話機を再配置する必要もありません。新しいオフィスでもネット環境さえ整っていれば即日運用が可能で、急なレイアウト変更にも柔軟に対応できます。
初期投資の負担を軽減し構築作業を簡素化したい企業にとって、クラウドPBXは有力な選択肢といえるでしょう。
オフィス移転時にクラウドPBXを導入するメリット
オフィス移転のタイミングは、従来のビジネスフォンからクラウドPBXへ切り替える絶好の機会といえます。クラウドPBXは物理的な主装置や配線工事が不要で、インターネット環境さえあればすぐに利用を開始できます。そのため、移設にともなう工事の手間や費用を大幅に抑えることができ、移転先でもスムーズに業務を再開できます。
さらに、クラウドPBXはスマートフォンやPCからの利用にも対応しており、社員がテレワーク中や外出先にいても会社の代表番号で発着信が可能です。移転期間中の連絡手段としても有効で、業務の継続性を確保できます。
加えて、拠点間や在宅勤務中の内線通話は無料で利用できるため、通信コストの削減にもつながります。
移設工事の代わりに必要となるクラウドPBXの導入準備
クラウドPBXを導入する際の物理的な移設工事は不要ですが、いくつかの事前準備が求められます。まずは現在の電話環境を整理し、使用中の電話番号が引き継げるかどうかや、契約中の機器リースの有無を確認しておきましょう。
続いてクラウドPBXを安定して利用するには、インターネット環境の整備が不可欠です。通信品質はサービスの安定性に直結するため、信頼性の高い回線と高性能なルーターの導入が望まれます。
さらに、利用する端末(スマートフォンやPCなど)にはソフトウェアのインストールとアカウント設定を行い、内線番号の割り当てまで済ませておくことが必要です。クラウドPBXは柔軟性の高い仕組みですが、準備を怠ると業務に支障をきたす恐れがあります。スムーズな導入のためにもあらかじめ専門業者に相談しておくと安心です。
クラウドPBX導入時に注意すべきポイント
クラウドPBXは、柔軟性やコスト面で多くのメリットがありますが、導入時にはいくつか注意すべき点も存在します。
まず確認したいのが、現在利用している電話番号をそのまま引き継げるかどうかです。サービスによっては番号の引き継ぎができず、顧客への周知対応や名刺・パンフレットなど印刷物の修正が必要になることもあります。
また、クラウドPBXはインターネットを通じて通話を行うため、通信環境が不安定だと音声品質が低下する恐れがあります。導入前に無料トライアルを利用し、実際の通話品質を確認しておくと安心です。
さらに、セキュリティ対策も欠かせません。二段階認証やアクセス制限などの機能が備わったサービスを選ぶことで、情報漏えいや不正アクセスのリスクを軽減できます。
コストだけでなく機能や安全性のバランスを見極めたうえで、信頼性の高いベンダーを選定することが大切です。
適切な見積もりと計画で移設費用を最適化しよう
ビジネスフォンの移設には主装置や電話機の再設置、配線工事、回線手配など多くの工程がともなうため、事前の計画が不可欠です。費用を抑えるには、まず自社の通信機器や回線状況を整理し、不要な設備の見直しから始めましょう。そのうえで現地調査を依頼し、複数業者から見積もりを取得することで、適正価格と施工内容を把握できます。
さらに、クラウドPBXの活用や割引キャンペーンの利用もコスト最適化の有効な手段です。見積もりと計画をしっかり立て、信頼できる業者と連携することで、無駄を省きながらスムーズな移設を実現しましょう。