2025.07.02

ビジネスフォンの留守電機能とは?使い方と設定方法を徹底解説

目次

業務中の不在時や営業時間外でも重要な電話を取りこぼさずに対応したい。そんな課題を感じていませんか?ビジネスフォンの「留守電機能」は、そうした悩みを解消し、顧客対応の信頼性を高めるために欠かせない機能です。しかし、機種や構成によって設定方法が異なるため、「うまく使いこなせない」、「ボイスメールとの違いがわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ビジネスフォンの留守電機能の基本的な仕組みから設定方法、トラブル対処法までを網羅的に解説。留守電とボイスメールの違いにも触れながら、自社に最適な活用法を見つける手助けをします。業務効率の向上や働き方改革の一環として、ぜひ参考にしてみてください。

ビジネスフォンの留守電機能とは

ビジネスフォンの留守電機能とは、担当者が電話に出られない際に相手のメッセージを自動で録音し、あとから内容を確認できる仕組みのことです。営業時間外や外出中、会議中など電話に対応しづらい場面で活用され、着信の取りこぼしによる機会損失を防ぐ役割を担います。
多くの機種では電話機本体に簡易型の留守電機能が搭載されていますが、主装置(PBX)に録音ユニットを追加することで、録音・再生・通知といった管理機能を強化することも可能です。さらに、クラウドPBXと連携すれば、スマートフォンやパソコンからメッセージの確認や削除が行え、テレワークや外出先での対応にも柔軟に対応できます。

ビジネスフォンで留守電を使うメリット

ビジネスフォンの留守電機能を活用することで、営業時間外や不在時でも大事な連絡を逃さずに対応できます。ここではその具体的なメリットを紹介します。

営業時間外の電話対応が不要になり業務効率が向上する

ビジネスフォンの留守電機能を活用すれば、営業時間外に電話対応のための人員を確保する必要がなくなります。特に中小企業や少人数体制のオフィスでは、時間外対応のために残業や当番制を敷くことが業務負担になりやすいものです。あらかじめ留守電を設定しておけば、自動音声で営業時間外であることを案内でき、発信者には要件を録音してもらえます。
また、クラウドPBXを併用すれば、録音されたメッセージをスマートフォンやパソコンから遠隔で確認することができ、出社せずに内容の確認や対応の優先順位を判断できます。

大事な顧客からの連絡を録音して機会損失を防げる

重要な取引先や顧客からの連絡を取りこぼすことは、大きな機会損失につながります。留守電機能を活用すれば電話に出られなかった場合でも相手の要件を録音できるためあとから内容を確認し、迅速に対応することが可能です。
特に、外出中や会議中、在宅勤務などで即時の対応が難しい場面でも、録音が残っていれば「連絡を受け取れなかった」という事態を防げます。さらに、メッセージは証拠として保存できるため、聞き間違いや伝言ミスの防止にもつながります。

伝言ミスを防ぎ、正確な情報共有が可能になる

留守電機能を活用すれば、口頭での伝言による情報の食い違いや聞き間違いを防ぐことができます。例えば、第三者を通じて内容を伝える場合、発言のニュアンスが正しく伝わらない可能性がありますが、録音されたメッセージであれば発信者の意図をそのまま把握することが可能です。
録音データは複数人で共有・確認できるため、社内での情報連携にも役立ちます。業務の引き継ぎやクレーム対応といった場面でも、録音内容が客観的な証拠として残る点は大きなメリットです。
特に、主装置型やクラウドPBXを利用すれば、録音データをパソコンやスマートフォンから再生・保存できるため、外出先や在宅勤務中でも内容を正確に把握できます。

通話内容の記録でトラブルやクレーム対応に役立つ

留守電機能を活用すれば通話内容を録音として残せるため、トラブルやクレーム対応にも役立ちます。たとえば顧客からの要望や苦情に対して、実際の通話内容を確認することで、発言の食い違いや誤解を防げます。やりとりを正確に記録できることは迅速で適切な対応にもつながり、信頼関係の維持に効果的です。
対応履歴を保存しておけば同じ顧客からの再問い合わせにもスムーズに対応でき、業務の効率化にもつながります。特に複数人で顧客対応を行っている部署では情報共有や引き継ぎの精度が高まり、対応ミスの防止にもつながります。

不在時でも複数の着信に対応でき安心感が増す

ビジネスフォンの留守電機能には、不在時でも複数の着信に対応できるという強みもあります。たとえば外出中や会議中に複数の電話が続けてかかってきた場合でもそれぞれの発信者に自動音声で応答し、メッセージを録音してもらえます。
その結果、対応できなかった電話の内容をあとから正確に確認でき、折り返しや業務対応をスムーズに進めることが可能です。特に小規模オフィスや少人数体制の企業では、限られた人員でも一定の対応力を保てる点が安心材料となります。

ビジネスフォンの留守電機能の主な種類と使い方

ビジネスフォンの留守電機能には、電話機本体に備わった簡易型から主装置で管理するシステム型、さらには外付け装置やクラウドPBXと連携する高機能型までさまざまな種類があります。ここではそれぞれの機能と使い方の特徴について解説します。

電話機本体に搭載された簡易留守電機能

電話機本体に内蔵された簡易留守電機能は、もっとも手軽に導入できるタイプです。専用の外付け装置や主装置を必要とせず、電話機単体で録音・再生が行えるため、小規模オフィスや個人事業主にとって使いやすい機能といえます。
設定はボタン操作のみで完結し、専門知識がなくても直感的に扱える点が特徴です。一方で、録音時間や保存件数に制限がある機種も多く、長期保存やリモート再生といった高度な機能には非対応な場合があります。
そのため本格的な運用というよりは、あくまで最低限の伝言を残す目的での活用に向いています。

主装置で管理するシステム留守電機能

主装置で管理するシステム留守電機能は、複数の内線や部署を統括しているオフィス環境におすすめの機能です。主装置(PBX)に録音ユニットを搭載することで、録音・再生・通知などの留守電操作を一括で管理できます。部署ごとに異なる応答メッセージを設定したり、留守録音と応答専用を使い分けることも可能です。
また、年間スケジュールタイマーを活用すれば、祝日や定休日も含めて自動で留守設定が切り替わるため、設定忘れの心配もありません。

後付け可能な外付け留守番電話装置

外付け留守番電話装置は、既存のビジネスフォンに留守電機能を後付けしたい企業に適した選択肢です。電話機と回線の間に機器を接続するだけで導入できるため、買い替えや大がかりな工事は必要ありません。
設定は比較的シンプルで、音声ガイダンスによる応答や録音の再生、早送り、削除といった基本操作にも対応しています。価格も手頃なものが多く、低コストで機会損失を防ぐ手段として導入する企業が増えています。
特に、小規模オフィスや開業間もない事業所など、限られた予算内で利便性を高めたいケースにおいて重宝されます。

クラウドPBX型の留守電・ボイスメール連携機能

クラウドPBX型の留守電・ボイスメール連携機能は、柔軟な働き方を推進する現代のオフィスに適した仕組みです。インターネット回線を利用して通話や録音データをクラウド上に集約することで、外出先や在宅勤務中でもスマートフォンやパソコンからメッセージの確認・再生が行えます。
録音されたメッセージは、社員ごとに割り当てられたメールボックスへボイスメールとして転送されるため、伝言ミスの回避や情報共有の効率化にも貢献します。加えて、複数端末への一斉着信や自動応答メッセージとの併用により、着信対応の抜け漏れを防止しやすくなります。

自動応答メッセージ(アナウンス)との組み合わせ利用

ビジネスフォンの留守電機能は、自動応答メッセージ(アナウンス)と組み合わせることで、より柔軟な運用が可能になります。
たとえば営業時間外や休日など、対応できない時間帯には「応答専用モード」としてガイダンスのみを流し、録音は行わない設定が効果的です。一方で、顧客からの要件を残してもらいたい場面では「留守録音モード」を活用し、アナウンスのあとにメッセージを録音してもらう形が適しています。
このように、状況に応じてモードを使い分けることで、無理のない業務体制を維持しながら、顧客への印象も損なわずにすみます。

スケジュール設定による自動切り替えの活用方法

ビジネスフォンではスケジュール設定によって留守電機能を自動で切り替えることが可能です。営業時間外や休日など、あらかじめ登録したタイミングに応じて、「応答専用モード」や「録音対応モード」へ自動的に移行できるため、手動での切り替え作業が不要になります。
この機能を活用すれば設定のし忘れによる取りこぼしを防げるうえ、業務の負担も軽減されます。特定の曜日や時間帯だけでなく、祝日や特別営業日などにも対応できる年間タイマーを組み合わせれば、より精度の高い応対体制を構築できます。
また、部署ごとに異なるスケジュール設定が可能な機種もあり、たとえば営業部は19時まで録音対応、総務部は18時で応答専用に切り替えるなど、業務内容に応じた柔軟な運用が実現します。

録音メッセージの確認・再生・削除の基本操作

ビジネスフォンの留守電機能を活用するうえで録音メッセージの確認や再生、削除といった操作は基本です。録音内容は、電話機のボタン操作やディスプレイの案内に従って、簡単に再生できます。
多くの機種では、「再生」ボタンを押したあとに暗証番号を入力することで、メッセージの確認が可能です。削除については、再生中に対応するボタンを押すか、メニュー画面から個別に操作する方法が一般的といえます。
また、機種によっては一定件数を超えると、古いメッセージが自動的に削除される仕様もあります。そのため、重要な内容は早めに確認し、必要に応じて保存しておくことが大切です。

ビジネスフォンの留守電とボイスメールとの違いと使い分け方

ビジネスフォンに搭載される留守電とボイスメールは、機能や仕組みに明確な違いがあります。ここでは両者の違いとシーン別の使い分けについて解説します。

留守番電話とボイスメールの基本的な仕組みの違い

留守番電話とボイスメールは、どちらも不在時の伝言対応を目的とした機能ですが、その仕組みには明確な違いがあります。
留守番電話は電話機本体に内蔵された機能です。一定時間着信に応答がない場合自動音声が流れ、相手のメッセージが録音されます。録音データは電話機内のメモリに保存され、手動での再生や削除によって管理します。
一方、ボイスメールはPBXや通信設備側で管理される機能です。電話機は操作端末としての役割にとどまり、録音内容はサーバー上のメールボックスに保存されます。メッセージはパソコンやスマートフォンから再生・転送・削除でき、場所を問わず管理が可能です。
部署単位での応答設定や大容量の録音保存、リモートでの確認にも対応できるため、より柔軟で高機能な運用が行えます。

利用シーン別に見るそれぞれの適性

ビジネスフォンに搭載される「留守電」と「ボイスメール」は、利用シーンに応じた使い分けが重要です。
たとえば営業時間外や短時間の不在対応には、簡単に設定できる留守電機能が適しています。音声ガイダンスと録音だけを目的とする運用であれば、導入コストを抑えられる点もメリットといえます。
一方で、通話内容の共有やリモートでの確認が求められる業務環境では、ボイスメールが効果的です。特に外出の多い営業担当や、複数の部署間で情報共有を行う企業では、通話メッセージを個別のメールボックスに保存し、遠隔から再生・転送できる点が大きなメリットとなります。

ビジネスフォンの留守電機能のトラブルと対処法

ビジネスフォンの留守電機能では録音エラーや設定不具合、容量オーバーといったトラブルが発生することがあります。ここでは、よくある不具合とその対処方法を紹介します。

録音できていない・音声が再生されない場合の原因と対処法

ビジネスフォンの留守電機能で「録音ができない」、「音声が再生されない」といったトラブルが発生する場合、主に3つの原因が考えられます。
まず、録音容量が上限に達していると新たなメッセージを録音できず、既存の音声も正常に再生されないことがあります。この場合は不要なメッセージを削除し、容量を確保してください。
次に、主装置や留守番電話ユニットの劣化や故障も要因の1つです。複数の内線で同じ不具合が見られる場合は、主装置の再起動や専門業者への点検依頼を検討しましょう。
また、音声ファイルの破損や再生設定のミスにも注意が必要です。例えば、再生時の音量がゼロになっていたり、スピーカーが故障していたりすると録音自体は成功していても再生されないことがあります。

スケジュール設定が反映されないときの対処法

ビジネスフォンの留守電機能でスケジュール設定が反映されない場合は、まず設定内容と適用時間帯を再確認してください。曜日や時間の指定ミス、24時間表記の入力誤りなどが原因となることがあります。特に「祝日設定」や「特定日設定」が優先されていると、通常の平日スケジュールが無効化されていることもあるため注意が必要です。
また、主装置側のタイマー機能が無効になっていないかどうかもあわせて確認しましょう。それでも反映されない場合は、機器の再起動や設定データの再読み込みを試し、状況が改善するかを確認してください。主装置のファームウェアが古いと、スケジュールの自動切り替えが正常に動作しないこともあります。解決が難しい場合は、メーカーや導入業者に問い合わせるのが確実です。

メッセージが自動で削除される場合の対処法

ビジネスフォンの留守電機能では録音メッセージが一定期間の経過や容量の上限に達した際、自動で削除される設定になっていることがあります。まずは主装置の設定を確認し、自動削除機能の有無や削除までの日数、保存件数などを見直しましょう。
必要に応じて、削除設定を「手動」に変更する、保存期間を延長する、またはUSBメモリや大容量ユニットの追加により録音容量を拡張するといった対策が効果的です。重要なメッセージは早めに再生・保存し、不要な録音は定期的に削除する運用ルールを整えることで、大切な情報の取りこぼしを防げます。

外線・内線で留守電が作動しないときの対処法

外線・内線のいずれでも留守電が作動しないときは、まず主装置の設定内容や配線の接続状況を確認してみましょう。外線だけに不具合が見られる場合は、回線の断線や外線ユニットの故障が考えられます。反対に、内線側でのみ動作しない場合は、内線ユニットの不具合や、各内線番号に対する設定ミスが原因となっている可能性があります。
また、スケジュール設定が正しく反映されていないケースや、何らかの理由で設定自体が無効化されていることもあります。録音容量が上限に達していると、新しいメッセージの録音ができなくなるため、不要なメッセージを削除して容量を確保することも必要です。
それでも解決しない場合は、主装置の再起動を試すか、保守業者に点検を依頼しましょう。

録音容量オーバー時のトラブル回避方法

ビジネスフォンの留守電機能では録音容量の上限を超えると新たなメッセージが保存されず、大切な連絡を取りこぼすリスクがあります。このようなトラブルを避けるには定期的にメッセージを確認し、不要な録音を削除することが基本です。
特に着信が多い職場では、自動削除の設定を活用すると管理の手間を減らせます。録音容量が少ない機種の場合は、USBメモリなど外部ストレージに対応したモデルや、クラウドPBXを活用できるシステムへの切り替えも一案です。
ボイスメール機能を備えた機種なら、録音をメールで転送したり、スマートフォンから遠隔で確認・削除することも可能です。

ビジネスフォンの留守電機能を活用して機会損失を防ごう

ビジネスフォンの留守電機能は営業時間外や不在時の着信対応を可能にし、顧客からの重要な連絡を確実に受け取れる環境を整えるために欠かせません。録音内容を正確に把握・共有できることで、伝言ミスや対応漏れを防ぎ、業務の効率化と顧客満足度の向上が期待できます。
また、クラウドPBXやボイスメールとの連携により、柔軟な働き方やリモート対応にも対応可能です。自社の運用スタイルに合った機能を見極め、効果的に活用していきましょう。